この展覧会についてABOUT THIS EXHIBITION
今、なぜ「民藝」に注目が集まっているのでしょうか。「暮らし」を豊かにデザインすることに人々の関心が向かっているからなのか。それとも、日本にまだ残されている地方色や伝統的な手仕事に対する興味からなのか。いずれにせよ、およそ100年も前に柳宗悦、濱田庄司、河井寬次郎が作り出した新しい美の概念が、今なお人々を触発し続けているのは驚くべきことです。
「民藝」という言葉が生まれたのは1925年12月末のこと。民藝の思想の種がまかれてから、およそ100年(正確にいうと「民藝」誕生から96年)。柳宗悦の没後60年に開催される本展では、時代とともに変化し続けた民藝の試みを俯瞰的な視点からとらえなおします。
「民藝」とは、「民衆的工芸」を略した言葉です。民藝運動が生まれたのは、近代の眼がローカルなものを発見していくという「捻じれ」をはらんだ時代です。柳らは、若くして西洋の情報に触れ、モダンに目覚めた世代でありながら、それまで見過ごされてきた日常の生活道具の中に潜む美を見出し、工芸を通して生活と社会を美的に変革しようと試みました。
本展は、柳らが蒐集(しゅうしゅう)した陶磁器、染織、木工、蓑、籠、ざるなどの暮らしの道具類や大津絵といった民画のコレクションとともに出版物、写真、映像などの同時代資料を展示し、総点数400点を超える作品と資料を通して、民藝とその内外に広がる社会、歴史や経済を浮かび上がらせます。
今回とりわけ注目するのは、「美術館」「出版」「流通」という三本柱を掲げた民藝のモダンな「編集」手法と、それぞれの地方の人・モノ・情報をつないで協働した民藝のローカルなネットワークです。民藝の実践は、美しい「モノ」の蒐集にとどまらず、新作民藝の生産から流通までの仕組み作り、あるいは農村地方の生活改善といった社会の問題提起、衣食住の提案、景観保存にまで広がりました。
「近代」の終焉が語られて久しい今、持続可能な社会や暮らしとはどのようなものか―「既にある地域資源」を発見し、人・モノ・情報の関係を編みなおしてきた民藝運動の可能性を「近代美術館」という場から見つめなおします。
開催概要EVENT DETAILS
| 会期 | 2021年10月26日(火)〜2022年2月13日(日) |
|---|---|
| 会場 |
東京国立近代美術館
|
| 住所 | 東京都千代田区北の丸公園3-1 |
| 時間 |
10:00〜17:00
(最終入場時間 16:30)
|
| 休館日 |
月曜日 年末年始(12月28日~2022年1月1日) 2022年1月11日 ※ただし2022年1月10日は開館 |
| 観覧料 | 一般 1,800円 大学生 1,200円 高校生 700円
|
| TEL | 050-5541-8600(ハローダイヤル) |
| URL | https://mingei100.jp |
東京国立近代美術館の情報はこちらMUSEUM INFORMATION
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出展作品・関連画像IMAGES
《スリップウェア鶏文鉢(とりもんはち)》 イギリス 18世紀後半 日本民藝館
《羽広(はびろ)鉄瓶》 山形県 1934年頃 日本民藝館
ホームスパンを着用する柳宗悦 日本民藝館にて 1948年 日本民藝館
《染付秋草文面取壺》(瓢形瓶(ひょうけいへい)部分) 朝鮮半島 18世紀前半 日本民藝館
木喰五行(もくじきごぎょう)《地蔵菩薩像》 1801年 日本民藝館
《ボウバック・アームチェア スプラットタイプ》 イギリス 19世紀 日本民藝館
《大黒形自在掛(じざいかけ)》 北陸地方 江戸時代 19世紀 日本民藝館
雑誌『工藝』第1号-第3号 1931年(型染・装幀 芹沢銈介)写真提供:日本民藝館
《緑黒釉掛分(りょくこくゆうかけわけ)皿》 鳥取県・牛ノ戸 1930年代 日本民藝館






