この展覧会についてABOUT THIS EXHIBITION
岩佐又兵衛勝以(いわさまたべえかつもち 1578~1650)は、豊かな頬と長い頤の人物表現や大和絵と漢画を折衷したような独特の画風で一世を風靡し、後の画界に大きな影響を与えました。
山中常盤物語絵巻は義経伝説に基づく御伽草紙系の物語で、義経の母・常磐の敵討ちを題材とした作品です。本作品は、又兵衛が描いたといわれる絵巻群の中で、最も生気あふれる力強い作風で、又兵衛自身の関与が最も高いと考えられています。
全12巻あわせると150mを超える長大な絵巻で、本展では、山中常盤物語絵巻全巻を一堂に展観し、又兵衛絵巻の魅力に迫ります。
◆重要文化財『山中常盤物語絵巻』について
『山中常盤物語』は、義経伝説に基づく御おとぎぞうし伽草子系の物語で、奥州へ下った牛若を訪ねて、都を旅立った母の常盤御前が、山中の宿で盗賊に殺され、牛若がその仇を討つという筋書きである。慶長(1596—1615)・元和(1615—1624)・寛永(1624—44)にかけて、操浄瑠璃の一つの演目として盛んに上演され、この巻物はそれを絵巻物化したものである。詞書に見られる独特の表現から、浄瑠璃の正本(テキスト)にもとづいて制作されたものと考えられている。12巻からなり、各巻12メートルを超える長大な絵巻物である。
岩佐又兵衛が描いたとされる絵巻物群の中で、最も生気あふれる力強い作風で、又兵衛自身の関与が最も深いと考えられている。特に、巻2・3の常盤主従の道行きの状景などにおける自然や風俗の描写は巧みで、又兵衛の筆を感じさせる。巻4の常盤主従が盗賊に襲われ殺される場面や巻9の義経が八面六臂の活躍によって盗賊たちに仇討ちをする場面などの、鮮烈な描写は本図の特色となっている。
巻4の常盤が刺されるシーンでは、描かれた松樹が激しくうねりを見せ、次の場面ではぐったりとうなだれて表されるなど、場面の緊張感や人物の感情を、景物に託して描いているようである。古典絵画からの図様の転用も幾つか指摘されており、又兵衛が古典絵画に深い造詣があったことが窺うかがわれる。
越前藩主松平忠直の子光長の養嗣子宣富が転封となった先の津山藩主松平家に伝来したもので、大正14年5月の東京美術倶楽部による松平子爵家蔵品売立によって世に出た。昭和3年、ドイツへ売られるところを引き止めた第一書房社主長谷川巳之吉によって紹介され、昭和の又兵衛論争を引き起こすきっかけとなった。
江戸時代初期の異色の絵巻として、また不明な点の多い岩佐又兵衛の画業を考える上でも注目される作品である。
開催概要EVENT DETAILS
| 会期 |
2019年8月31日(土)〜2019年9月24日(火)
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|---|---|
| 会場 |
MOA美術館
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| 住所 | 静岡県熱海市桃山町26-2 |
| 時間 | 9:30〜16:30 (最終入場時間 16:00) |
| 休館日 |
木曜日 |
| 観覧料 | 一般 1,600円 (1,300円) 高大生 1,000円 (700円) 小中生 無料 シニア割引 1,400円 障害者割引 800円
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| TEL | 0557-84-2511 |
| URL | https://www.moaart.or.jp/ |
MOA美術館の情報はこちらMUSEUM INFORMATION
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重文 山中常盤物語 第1巻(部分) 伝 岩佐又兵衛
重文 山中常盤物語 第4巻(部分) 伝 岩佐又兵衛