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2023年上半期に開催スタートの注目の
展覧会を一挙ご紹介!(第2弾 関西&全国版)

「ピカソとその時代」「大阪の日本画」「幕末土佐の天才絵師 絵金」「甲斐荘楠音の全貌」
「生誕120年 棟方志功展」「ダリとハルスマン」「特別展 加耶(かや)」「Before/After」ほか

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アートアジェンダがお薦めする、2023年の上半期(1~6月)に始まる注目の展覧会、第1弾の東京&関東編 に続き、第2弾 関西&全国版のおすすめ展覧会のご紹介です。

「ピカソとその時代 ベルリン国立ベルクグリューン美術館展」や「開館30周年記念展2 ヨハネ・パウロ2世美術館展」など海外の美術館名を冠した展覧会も引き続き人気が高いですが、「大阪の日本画」「甲斐荘楠音の全貌」「生誕120年 棟方志功展」「幕末土佐の天才絵師 絵金」など、美術館独自に、あるいは美術館同士が連携・協力しあって企画する個性的な展覧会も増えてきています。

今回は、各美術館・博物館の個性的な企画で期待大の展覧会も含めて、全12の展覧会をご紹介しています。アートアジェンダ展覧会情報 も合わせてご参考にしていただいて、今年もたくさんの美術館・展覧会をお楽しみください。

世界有数の個人コレクションを作りあげた美術商ハインツ・ベルクグリューンのコレクションを収蔵するベルクグリューン美術館の主要作品が一堂に

パウル・クレー《中国の磁器》1923年 水彩・グアッシュ・ペン・インク、石膏ボード、合板の額 28.6x36.8cm ベルリン国立ベルクグリューン美術館
© Museum Berggruen –Nationalgalerie, SMB / bpk/ Jens Ziehe
パウル・クレー《中国の磁器》1923年 水彩・グアッシュ・ペン・インク、石膏ボード、合板の額 28.6x36.8cm ベルリン国立ベルクグリューン美術館
© Museum Berggruen –Nationalgalerie, SMB / bpk/ Jens Ziehe
2023年上半期 アートアジェンダがおすすめする注目の展覧会情報・関西版&全国版(1)
「ピカソとその時代 ベルリン国立ベルクグリューン美術館展」
開催美術館:国立国際美術館
開催期間:2023年2月4日(土)~5月21日(日)

ドイツ生まれの美術商ハインツ・ベルクグリューン(1914-2007年)は、1948年からパリで画廊を経営しながら自分自身のために作品を集め、世界有数の個人コレクションを作りあげました。彼のコレクションは1996年以後、生まれ故郷であるベルリンのシャルロッテンブルク宮殿に面した建物の中で公開され、2000年には主要作品をドイツ政府が購入、2004年にはベルクグリューン美術館と改称しました。ベルリン国立美術館群ナショナルギャラリーに属し、数々の展覧会を開催し世界的な評価を得る美術館です。

ベルクグリューンは晩年まで作品の購入と放出を繰り返し、コレクションに際立った特色を持たせるよう努めました。最終的には、彼が最も敬愛した同時代の4人の芸術家たち、パブロ・ピカソ、パウル・クレー、アンリ・マティス、 アルベルト・ジャコメッティの作品に重点が置かれています。この4人に、彼らが共通して師と仰いだモダンアートの祖、 ポール・セザンヌも加えた、粒選りの作品からなるコレクションは、創造性と生命力にあふれた20世紀の巨匠たちの芸術を堪能させてくれます。

本展では、ドイツの稀代のコレクター、ハインツ・ベルクグリューンのコレクションを収蔵するベルリン国立ベルクグリューン美術館の主要作品を初めて一堂に展示します。ピカソを中心に、クレー、マティス、ジャコメッティなど来日する97点のうち76点が日本初公開となり、日本の国立美術館の所蔵・寄託作品11点を加えた合計108点で構成されます。

明治から昭和に至る近代大阪の日本画に光をあて、北野恒富、島成園、菅楯彦、矢野橋村など50名を超える画家による約150点の作品を展示

北野恒富「宝恵籠」昭和6年(1931)頃 大阪府立中之島図書館
北野恒富「宝恵籠」昭和6年(1931)頃 大阪府立中之島図書館
2023年上半期 アートアジェンダがおすすめする注目の展覧会情報・関西版&全国版(2)
「開館1周年記念特別展 大阪の日本画」
開催美術館:大阪中之島美術館
開催期間:2023年1月21日(土)~4月2日(日)

大阪は商工業都市として発展を続けるとともに、東京や京都とは異なる文化圏を形成し、個性的で優れた芸術文化を育んできました。江戸時代からの流れをくむ近代大阪の美術は、町人文化に支えられ、伝統にとらわれない自由闊達な表現が多彩かつ大きく花開いたといえます。

とりわけ大正から昭和前期にかけては画壇としての活動が隆盛を極め、北野恒富(きたのつねとみ)、島成園(しませいえん)、菅楯彦(すがたてひこ)、矢野橋村(やのきょうそん)など、多くの画家が個性豊かな作品を生み出しました。

本展は、明治から昭和に至る近代大阪の日本画に光をあて、50名を超える画家による約150点の作品を展示します。また、作品が生まれた背景にも目を向けることで、個々の作品の魅力や画壇のあり方をより深く知るとともに、今につながる大阪の街の文化を浮き彫りにします。

幕末の土佐に生き、異彩を放つ屏風絵・絵馬提灯などを残した絵金(えきん)の類稀なる個性とその魅力について、代表作の数々で紹介する大規模展

伊達競阿国戯場 累 二曲一隻屏風 紙本彩色 香南市赤岡町本町二区蔵
伊達競阿国戯場 累 二曲一隻屏風 紙本彩色 香南市赤岡町本町二区蔵
2023年上半期 アートアジェンダがおすすめする注目の展覧会情報・関西版&全国版(3)
「幕末土佐の天才絵師 絵金」
開催美術館:あべのハルカス美術館
開催期間:2023年4月22日(土)~6月18日(日)

謎の天才絵師とも呼ばれる土佐の絵師・金蔵は、幕末から明治初期にかけて数多くの芝居絵屏風などを残し、「絵金さん」の愛称で、地元高知で長年親しまれてきました。

同時代のどの絵師とも異なる画風で描かれた屏風絵は、今も変わらず夏祭りの数日間、高知各所の神社等で飾られ、闇の中に蝋燭の灯りで浮かび上がるおどろおどろしい芝居の場面は、見るものに鮮烈な印象を残しています。

本展は、高知県外の美術館で開催する初の大規模展です。幕末の土佐に生き、異彩を放つ屏風絵・絵馬提灯などを残した「絵金」の類稀なる個性と、その魅力について、代表作の数々で紹介します。

美醜相半ばする人間の生々しさを巧みに描写した異色の日本画家から「複雑かつ多面的な個性をもつ表現者」へ、甲斐荘楠音を再定義する大回顧展

《虹のかけ橋(七妍)》、1915-76(大正4-昭和51)年頃、絹本着色・六曲一隻、180.0×370.0cm、京都国立近代美術館
《虹のかけ橋(七妍)》、1915-76(大正4-昭和51)年頃、絹本着色・六曲一隻、180.0×370.0cm、京都国立近代美術館
2023年上半期 アートアジェンダがおすすめする注目の展覧会情報・関西版&全国版(4)
「甲斐荘楠音の全貌 絵画、演劇、映画を越境する個性」
開催美術館:京都国立近代美術館
開催期間:2023年2月11日(土・祝)~4月9日(日)

本展は、様々な領域を越境した表現者・甲斐荘楠音(かいのしょうただおと 1894~1978)の生涯にわたる創作の全貌を回顧するものです。

甲斐荘は大正期から昭和初期に日本画家として活躍し、革新的な日本画表現を世に問うた美術団体「国画創作協会」の会員としても知られています。通念としての理想美を描き出すのではなく、美醜相半ばする人間の生々しさを巧みに描写した甲斐荘の画風は、戦前の日本画壇で高く評価されました。しかし、1940年代初頭に画業を中断した後は映画業界に転身。長らくその成果が顧みられることはありませんでしたが、1970年代半ばから再評価の機運が高まり、没後20年を経た1997年には回顧展が開催されます。そこで日本画家としての活動の全貌が初めて紹介され、同時に「京都画壇の異才」という定評を確立して今日に至ります。

美術館での二度目の回顧展となる本展では、日本画家という枠組みに収まりきらない甲斐荘の「越境性」を紹介します。画家としての評価の影に隠れてしまった甲斐荘の別の側面―溝口健二ら稀代の映画監督を支えた風俗考証家、歌舞伎など演劇を愛好し又自らも素人芝居に興じた趣味人としての活動は、これまでほとんど注目されてきませんでした。さらには、女形としての演技や異性装による「女性」としての振る舞い、セクシュアルマイノリティでもあった甲斐荘の嗜好/指向は、彼の表現活動を解釈する上で重要な要素です。本展ではスクラップブック・写生帖・絵画・写真・映像・映画衣装・ポスターなど、甲斐荘に関する資料のすべてを等しく展示します。異色の日本画家から「複雑かつ多面的な個性をもつ表現者」へ、甲斐荘楠音を再定義することが本展の目的です。

これらの資料を渉猟すると、多岐にわたる興味と欲望の交錯、創造する個人の複雑な内面世界が見えてきます。一つひとつの作品は、それらが収斂した重層的な結晶として再解釈されるはずです。俳優が様々な役柄を演じ分けるように、多彩な顔をもった甲斐荘という一つの個性は、現代を生きる我々に少なからぬ示唆を与えてくれることでしょう。

広島市現代美術館のリニューアルオープン記念に、変転や変遷のあとさきを静かに想起させる、美しく力強い作品を発表してきた作家らの作品を紹介

田中功起《everything is everything》2005-2006
田中功起《everything is everything》2005-2006
2023年上半期 アートアジェンダがおすすめする注目の展覧会情報・関西版&全国版(5)
「リニューアルオープン記念特別展 Before/After」
開催美術館:広島市現代美術館
開催期間:2023年3月18日(土)~6月18日(日)

本展では、美術館建物の改修工事という出来事を契機に生じる「前/後」をひとつの足がかりとして、さまざまな「まえ」と「あと」の現象や状況に着目します。例えば、経年によるものの変質や劣化、そして修復による対応は、作品や資料を収蔵する美術館では避けては通れない問題です。

また、広島の中心地に建設され、県の産業奨励館として知られていた建物は、被爆後にはヒロシマを象徴する遺構へと姿を変え、原爆ドームという愛称のもと、都市風景の一部となっています。都市を破壊し、人々に健康被害をもたらした核エネルギーは、その後、原子力発電のエネルギー源として世界に繁栄をもたらすとも信じられました。このように、歴史を振り返れば、いくつもの分岐点としての出来事や決断があり、変更や変化が起こってきたことに気づきます。

私たちは過去からなにを学び、どのような未来を見ているのでしょうか。旧約聖書によれば、かつて楽園で禁を破って知恵をつけ、そこから追放された人類の末裔(まつえい)は、いまなお世界のいたるところで諍(いさか)いを起こし、他者の生活を脅かすなど、さまざまな問題を抱えています。それでもなお私たちは、夢や希望を抱くことを忘れず、自らを癒し、ときに後ろを振り返りながらそれぞれの歩みで前へ進んでいくのではないでしょうか。

本展では、社会の変化やシステムにおける綻び、隠され葬り去られた過去や歴史があることを敏感に察知し、作品として発表してきたアーティストたちを取り上げます。彼らは、それぞれのやり方で出来事と真摯に向き合い、変転や変遷のあとさきを静かに想起させる、美しく力強い作品を発表してきました。これらの作品を通じて、さまざまな事象の「まえ」と「あと」とを想起し、変化の有無や差異を認識するのはもちろんのこと、さらにその背景や一連の顛末によってもたらされる功罪や意義を省察します。

古代朝鮮半島と倭国の交流に迫る決定版!4世紀から6世紀にかけて、朝鮮半島中南部に興った「加耶(かや)」諸国が日本に与えた影響に迫る

《短甲》伝金海退来里出土 <金官加耶> 4世紀 韓国国立中央博物館
《短甲》伝金海退来里出土 <金官加耶> 4世紀 韓国国立中央博物館
2023年上半期 アートアジェンダがおすすめする注目の展覧会情報・関西版&全国版(6)
「特別展 加耶(かや)」
開催美術館:九州国立博物館
開催期間:2023年1月24日(火)~3月19日(日)

加耶は4世紀から6世紀にかけて、朝鮮半島中南部に興った国々の総称です。鉄で栄え、金で飾った加耶諸国は、古墳時代の日本にもさまざまな影響を与えました。

本展では、最新の研究成果に基づいて、加耶の前身である弁韓に始まり、562年に大加耶が滅亡するまでの、加耶の興亡の歴史をたどります。

また、加耶をはじめとするさまざまな地域から日本列島にやってきた「渡来人」たちがもたらした文化・技術に着目し、発掘調査出土品から、日本文化の形成過程に迫ります。

16世紀ルネサンスからロココ、アカデミー絵画に至るまで400年間の西洋絵画から、絵画の中の女性たちにスポットをあてた61点を紹介

アンソニー・ヴァン・ダイク《エジプトへの逃避途上の休息》
©Museum of John Paul II and Primate Wyszyński
アンソニー・ヴァン・ダイク《エジプトへの逃避途上の休息》
©Museum of John Paul II and Primate Wyszyński
2023年上半期 アートアジェンダがおすすめする注目の展覧会情報・関西版&全国版(7)
「開館30周年記念展2 ヨハネ・パウロ2世美術館展」
開催美術館:郡山市立美術館
開催期間:2023年1月28日(土)~3月26日(日)

ポーランドのワルシャワにあるヨハネ・パウロ2世美術館は、化学者ズビグニェフと妻ヤニーナのポルチェンスキ夫妻から寄贈されたコレクションをもとに設立されました。そのコレクションは、15世紀以降の西洋絵画の巨匠たちの優品であるオールドマスターから19世紀印象派まで網羅するものです。

本展では、絵画の中の女性たちにスポットをあて、16世紀ルネサンスからロココ、アカデミー絵画に至るまで400年間の西洋絵画61点を紹介します。

クラーナハ(子)、レンブラント、ヴァン・ダイク、ゴヤなど、時代を彩る巨匠たちがどのように女性を描き出したのか、それぞれのスタイルをお楽しみください。

大キく見開いた目にピンと尖った口ひげのダリの写真で知られる写真家ハルスマンがダリとの長年の交友の中で共同して制作した写真の数々を紹介

フィリップ・ハルスマン 《ダリ・アトミクス》1948年 Photo by Philippe Halsman © The Philippe Halsman Archive
フィリップ・ハルスマン 《ダリ・アトミクス》1948年 Photo by Philippe Halsman © The Philippe Halsman Archive
2023年上半期 アートアジェンダがおすすめする注目の展覧会情報・関西版&全国版(8)
「ダリとハルスマン」
開催美術館:諸橋近代美術館
開催期間:2023年4月20日(木)~6月25日(日)

大キく見開いた目にピンと尖った口ひげ。サルバドール・ダリ(1904-1989)の顔を広く知らしめることとなった写真《サルバドール・ダリ》(1954)を撮影したのは写真家のフィリップ・ハルスマン(1906-1979)です。

彼の写真は長きにわたり世界中の雑誌の表紙を飾り、アメリカの雑誌『ライフ』においては同誌史上最多の101回起用された他、Jumpシリーズではマリリン・モンローやオードリー・ヘップバーンをはじめ、当時の政治家、作家、科学者など多くのスターがモデルをつとめました。

今回はそんなハルスマンがダリとの数十年の交友を重ねる中で共同して制作した写真の数々を紹介します。デジタル作業による画像加工が登場する以前、ダリとハルスマンが共謀し挑んだ革新的で遊び心に溢れた表現をお楽しみください。

棟方の居住や創作の拠点であった青森、東京、富山の各地域との関わりを軸に、その多岐に渡る活動を紹介し、芸術家としての棟方志功を再考する

《花矢の柵》1961年 青森県立美術館蔵
《花矢の柵》1961年 青森県立美術館蔵
2023年上半期 アートアジェンダがおすすめする注目の展覧会情報・関西版&全国版(9)
「富山県美術館5周年記念 生誕120年 棟方志功展」
開催美術館:富山県美術館
開催期間:2023年3月18日(土)~5月21日(日)

「世界のムナカタ」として国際的な評価を得た版画家・棟方志功(1903-1975)の作品は、今なお根強い人気を誇ります。

棟方が居住し、あるいは創作の拠点とした青森、東京、富山の3つの地域は、それぞれに芸術家としての棟方の形成に大きな影響を与えました。福光町(現富山県南砺市)には、1945年4月に疎開し、6年8か月の期間をこの地で過ごしています。その際、版画や倭画(肉筆画)の重要作を制作し、創作活動の転機となりました。

棟方の生誕120年を記念して、各地域の美術館(富山県美術館、青森県立美術館、東京国立近代美術館)が協力して開催する本展では、棟方と各地域の関わりを軸に、棟方の多岐に渡る活動を紹介し、棟方志功とはいかなる芸術家であったのかを再考します。

金属、木、陶磁、漆、ガラスなど様々な素材により、新たな表現領域を探求する現代作家の新作を中心に紹介し、進化し続ける超絶技巧の世界に迫る

本郷真也《Visible01 境界》2023年 鉄、赤銅、銀
本郷真也《Visible01 境界》2023年 鉄、赤銅、銀
2023年上半期 アートアジェンダがおすすめする注目の展覧会情報・関西版&全国版(10)
「開館20周年記念 超絶技巧、未来へ! 明治工芸とそのDNA」
開催美術館:岐阜県現代陶芸美術館(セラミックパークMINO)
開催期間:2023年2月11日(土・祝)~4月9日(日)

金属、木、陶磁、漆、ガラスなど様々な素材により、新たな表現領域を探求する現代作家の新作を中心に紹介します。さらに、これらの作家を刺激してやまない清水三年坂美術館蔵や個人蔵の明治工芸の逸品も併せて展示することで、進化し続ける超絶技巧の世界に迫ります。

孤独な環境の中で、自らに信じられないほどの負荷をかける鍛錬を日々実践している現代作家たちは、明治工芸のDNAを受け継ぎ超絶技巧の未来を担う存在となるでしょう。

◆ 出品作家(五十音順)
青木美歌[ガラス]、池田晃将[漆工]、稲崎栄利子[陶磁]、岩崎努[木彫]、大竹亮峯[木彫]、蝸牛あや[刺繍]、小坂学[ペーパー]、長谷川清吉[金工]、樋渡賢[漆工]、福田亨[木彫]、本郷真也[金工]、前原冬樹[木彫]、松本涼[木彫]、盛田亜耶[切り絵]、山口英紀[水墨画]、吉田泰一郎[金工]、彦十蒔絵 若宮隆志[漆工]

約1万点にのぼる優れたコレクションを持つ山梨県立美術館から「REMIX」と題した優品の展示とコレクションを活用した様々なイベントを開催

望月春江《惜春》 山梨県立美術館蔵
望月春江《惜春》 山梨県立美術館蔵
2023年上半期 アートアジェンダがおすすめする注目の展覧会情報・関西版&全国版(11)
「山梨県立美術館コレクション REMIX」
開催美術館:山梨県立美術館
開催期間:2023年4月22日(土)~6月11日(日)

開館以来、45年間をとおして、館の根幹となるコレクションの充実を図ってきた山梨県立美術館。本展ではコレクション内の優品を展示し、会期中はコレクションを活用した様々なイベントを開催します。

山梨県立美術館の大黒柱である収蔵作品と、新たな鑑賞方法や活用方法を掛け合わせる、いわばコレクションの「リミックス」をとおして、美術館の今後の可能性を探っていきます。

歴史ある萩焼の三輪家の伝統を踏まえながらも、独自の表現で自己の内的世界を形にしてきた三輪龍氣生が、壮大なスケールで展開する陶の造形世界

三輪龍氣生《続・卑弥呼の書 No.9》(部分) 1992年 撮影:田中学而
三輪龍氣生《続・卑弥呼の書 No.9》(部分) 1992年 撮影:田中学而
2023年上半期 アートアジェンダがおすすめする注目の展覧会情報・関西版&全国版(12)
「三輪龍氣生 陶の世界」
開催美術館:山口県立萩美術館・浦上記念館
開催期間:2023年3月7日(火)~9月3日(日)

三輪龍氣生(みわりゅうきしょう 十二代休雪。本名・龍作。昭和15年〈1940〉辰年生まれ)は、萩の伝統窯三輪窯の十一代休雪(壽雪)の長男として生まれ、歴史ある萩焼の三輪家の伝統を踏まえながらも、これまで「愛(エロス)」と「死(タナトス)」をテーマに独自の具象造形表現により自己の内的世界をかたちにしてきた陶芸家です。

今展では、作者の制作意識の中で常に内在している「生成と崩壊」のテーマを、全身で土に立ち向かうことで表現した巨大な「続・卑弥呼の書」や、作家自身の自画像、化身ともいえる「龍人伝説」シリーズの作品を展示し、空間的にも時間的にも壮大なスケールで展開する三輪龍氣生の陶の造形世界を紹介します。

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