FEATURE

2022年下半期に開催スタートの注目の
展覧会を一挙ご紹介!(第2弾 関西&全国版)

「河内長野の霊地 観心寺と金剛寺」「アンディ・ウォーホル・キョウト」「ゲルハルト・リヒター展」
「スコットランド国立美術館 THE GREATS 美の巨匠たち」「ボストン美術館所蔵 THE HEROES」ほか

トピックス

(左上段 左から右)《哲学者たち》ナポリ国立考古学博物館蔵 Photo ©Luciano and Marco Pedicini、ディエゴ・ベラスケス《卵を料理する老婆》 1618年 © Trustees of the National Galleries of Scotland、ゲルハルト・リヒター《ビルケナウ》(937-1) 2014年 ゲルハルト・リヒター財団 © Gerhard Richter 2022 (07062022)、(中段左 1点)国宝 日月四季山水図屏風(右隻) 室町時代(15~16世紀) 大阪・天野山金剛寺蔵、(下段左から右)北野恒富《道行》1913年頃 福富太郎コレクション資料室、歌川国芳「小子部栖軽豊浦里捕雷」天保5〜6年(1834~35)頃 Bequest of Maxim Karolik Photograph © Museumof Fine Arts, Boston、熊野観心十界曼荼羅(部分) 江戸時代
(左上段 左から右)《哲学者たち》ナポリ国立考古学博物館蔵 Photo ©Luciano and Marco Pedicini、ディエゴ・ベラスケス《卵を料理する老婆》 1618年 © Trustees of the National Galleries of Scotland、ゲルハルト・リヒター《ビルケナウ》(937-1) 2014年 ゲルハルト・リヒター財団 © Gerhard Richter 2022 (07062022)、(中段左 1点)国宝 日月四季山水図屏風(右隻) 室町時代(15~16世紀) 大阪・天野山金剛寺蔵、(下段左から右)北野恒富《道行》1913年頃 福富太郎コレクション資料室、歌川国芳「小子部栖軽豊浦里捕雷」天保5〜6年(1834~35)頃 Bequest of Maxim Karolik Photograph © Museumof Fine Arts, Boston、熊野観心十界曼荼羅(部分) 江戸時代

トピックス 一覧に戻るFEATURE一覧に戻る

アートアジェンダがお薦めする、2022年の下半期(7~12月)に始まる注目の展覧会、第1弾の関東版 に続き、第2弾 関西&全国版のおすすめ展覧会のご紹介です。

今期は、「ゲルハルト・リヒター展」「スコットランド国立美術館 THE GREATS 美の巨匠たち」「ボストン美術館所蔵 THE HEROES」「展覧会 岡本太郎」などの巡回展も多い一方で、京都のみでの単独開催の「ANDY WARHOL KYOTO/アンディ・ウォーホル・キョウト」や「特別展 河内長野の霊地 観心寺と金剛寺」なども見逃せません。

『りんごかもしれない』のデビュー作が話題となった「ヨシタケシンスケ展かもしれない」展なども早速話題を呼んでいます。そのほかにも、沢山のおすすめ展覧会が開催中&開催予定です。ぜひ、展覧会情報一覧 をご参考に、今年の後半もたくさんの展覧会をお楽しみください。

真言密教の古寺、観心寺と金剛寺。京都国立博物館の文化財調査によって、新たに発見された寺宝の数々や従来知られた名品を紹介

重要文化財 伝宝生如来坐像 平安時代(9世紀) 大阪・観心寺蔵 画像提供:公益財団法人美術院 撮影:金井杜道
重要文化財 伝宝生如来坐像 平安時代(9世紀) 大阪・観心寺蔵 画像提供:公益財団法人美術院 撮影:金井杜道
2022年上半期 アートアジェンダがおすすめする注目の展覧会情報・関西版&全国版( 1 )
「特別展 河内長野の霊地 観心寺と金剛寺─真言密教と南朝の遺産─」
開催美術館:京都国立博物館
開催期間:2022年7月30日(土)〜2022年9月11日(日)

京から高野山へ至る街道の合流地点として栄えた歴史をもつ大阪府南部の河内長野市。当地には観心寺と金剛寺という真言密教の古寺があり、この地域における信仰文化の中心を担ってきました。

南北朝時代には後村上天皇の行宮(あんぐう)として、楠木正成など南朝勢力の拠点となったことでも知られます。

京都国立博物館では2016年から2019年度に、両寺の文化財調査を実施しました。本展はその成果を公開する機会として、従来知られた名品に加え、新たに発見された寺宝の数々を紹介します。

国宝 日月四季山水図屏風(右隻) 室町時代(15~16世紀) 大阪・天野山金剛寺蔵
国宝 日月四季山水図屏風(右隻) 室町時代(15~16世紀) 大阪・天野山金剛寺蔵

N.Y.ポップアートの旗手 ”アンディ・ウォ-ホル” 大回顧展。大衆消費社会の光と影の両面を映し出す作品約200点を通して、複雑なウォーホル像に迫る

2022年上半期 アートアジェンダがおすすめする注目の展覧会情報・関西版&全国版( 2 )
「ANDY WARHOL KYOTO/アンディ・ウォーホル・キョウト」
開催美術館:京都市京セラ美術館
開催期間:2022年9月17日(土)〜2023年2月12日(日)

1960年代のニューヨークで、大衆文化・消費社会のイメージを主題や素材とする「ポップ・アート」の旗手として活躍した唯一無二のアーティスト、アンディ・ウォーホル。

本展は、日本で約6年ぶりの開催となる大規模な個展であり、京都における初の本格的なウォーホル展となります。米国ピッツバーグにあるアンディ・ウォーホル美術館の所蔵品から、イラストレーターとして活躍していた1950年代の初期作品をはじめ、1960年代に制作された「死と惨事」シリーズに代表される象徴的なキャンバス作品、映画やテレビ番組などの映像、注文絵画としてのセレブリティのポートレート、そして、宗教画を参照した晩年の作品などを展示します。

美術史に輝く巨匠たち(THE GREATS)の競演。ラファエロ、エル・グレコ、ベラスケス、レンブラント、ブーシェ、スーラ、ルノワールなど

ディエゴ・ベラスケス《卵を料理する老婆》 1618年 油彩・カンヴァス 100.5×119.5cm
© Trustees of the National Galleries of Scotland
ディエゴ・ベラスケス《卵を料理する老婆》 1618年 油彩・カンヴァス 100.5×119.5cm
© Trustees of the National Galleries of Scotland
2022年上半期 アートアジェンダがおすすめする注目の展覧会情報・関西版&全国版( 3 )
「スコットランド国立美術館 THE GREATS 美の巨匠たち」
開催美術館:神戸市立博物館
開催期間:2022年7月16日(土)〜2022年9月25日(日)

スコットランド国立美術館は、上質で幅広い、世界でも指折りの西洋絵画コレクションを有する美の殿堂です。1859年の開館以来、購入や地元名士たちの寄贈や寄託などによってコレクションの拡充を続け、世界最高峰の美術館の一つとなりました。

本展は、そのようなスコットランドが誇る至宝の中から、ラファエロ、エル・グレコ、ベラスケス、レンブラント、ブーシェ、スーラ、ルノワールなど、ルネサンス期から19世紀後半までの西洋絵画史を彩る巨匠たちの作品を展示します。

さらに、同館を特徴づけるゲインズバラ、レノルズ、ターナー、ミレイといったイングランド出身の画家に加え、日本ではなかなか見ることのできないレイバーン、ラムジー、グラントなどスコットランド出身の代表的な画家たちの名品も多数出品。油彩画・水彩画・素描約90点を通じ、西洋美術の流れとともに、ヨーロッパ大陸と英国との文化交流から、英国美術がはぐくまれた様子を紹介する機会にもなることでしょう。

「人間―全存在として猛烈に生きる人間」、岡本太郎。今日でも幅広い世代の人々を魅了する芸術家・岡本太郎の芸術人生を振り返る、大回顧展が開催

岡本太郎《傷ましき腕》1936/49年 川崎市岡本太郎美術館蔵
©岡本太郎記念現代芸術振興財団
岡本太郎《傷ましき腕》1936/49年 川崎市岡本太郎美術館蔵
©岡本太郎記念現代芸術振興財団
2022年上半期 アートアジェンダがおすすめする注目の展覧会情報・関西版&全国版( 4 )
「展覧会 岡本太郎」
開催美術館:大阪中之島美術館
開催期間:2022年7月23日(土)〜2022年10月2日(日)

表現活動が多岐にわたることから「何が本職なのか?」と問われることも多かった岡本太郎(1911-1996)の答えは「人間―全存在として猛烈に生きる人間」でした。未知なるものへの不安・怖れに常に果敢に孤独に切り込んでいった彼の表現活動は、小さな枠にとらわれることなく世界に対して「己全体を賭ける」ことであり、人間としての根源的な営みの豊かさを人々に喚起する試みであったといえるでしょう。

太郎の思想・生き様が込められた作品を体感することは、不安定な状況が続く現在の社会を力強く生き抜いていくためのヒントを見つける機会となるかもしれません。 代表作はもちろん、これまであまり注目されてこなかった晩年の作品なども紹介しながらその生涯をたどる本展にて、《太陽の塔》だけではない、岡本太郎の全貌をお楽しみください。

江戸時代の人々が熱狂した英雄たちの物語。世界最高水準の日本美術コレクションを誇るボストン美術館から武者絵、刀剣の鐔など名品の数々を展示

歌川国芳「小子部栖軽豊浦里捕雷」天保5〜6年(1834~35)頃 Bequest of Maxim Karolik
Photograph © Museumof Fine Arts, Boston
歌川国芳「小子部栖軽豊浦里捕雷」天保5〜6年(1834~35)頃 Bequest of Maxim Karolik
Photograph © Museumof Fine Arts, Boston
2022年上半期 アートアジェンダがおすすめする注目の展覧会情報・関西版&全国版( 5 )
「ボストン美術館所蔵 THE HEROES 刀剣×浮世絵―武者たちの物語」
開催美術館:兵庫県立美術館
開催期間:2022年9月10日(土)〜2022年11月20日(日)

勇壮な英雄たち、ひるがえる刀剣、恐ろしげな怪異。スサノオノミコトとヤマタノオロチの戦いや源平合戦、そして上杉謙信と武田信玄の合戦など、軍記物語や武勇伝説に見られる英雄たちの姿を描いた武者絵は、浮世絵の祖と呼ばれる菱川師宣の時代から、多くの浮世絵師によって手がけられてきました。また、そうした武者絵と共通するイメージは、刀剣の鐔のデザインとしても使用されます。

本展覧会では、世界最高水準の日本美術コレクションを誇るボストン美術館の所蔵品から、武者絵118点、武者絵と共通のイメージがデザインされた刀剣の鐔27点、英雄たちの活躍を彩る重要な要素である刀剣20口を厳選して展示します。

また、武者絵の世界をより分かりやすく紹介するため、国内コレクションからも刀剣、浮世絵を特別出品します。江戸時代の人々が熱狂した英雄たちの物語をぜひお楽しみください。

ヨシタケシンスケの「かもしれない」展示空間を体感する初の大規模個展。本展のために考案した立体物や愛蔵のコレクションなど約400点以上を展示

©Shinsuke Yoshitake
©Shinsuke Yoshitake
2022年上半期 アートアジェンダがおすすめする注目の展覧会情報・関西版&全国版( 6 )
「ヨシタケシンスケ展かもしれない」
開催美術館:市立伊丹ミュージアム
開催期間:2022年7月15日(金)〜2022年8月28日(日)

絵本作家としてのデビュー作『りんごかもしれない』(2013年)以降、子どもから大人まで大ブームを巻き起こしているヨシタケシンスケ。頭のなかに広がる果てしない妄想やアイデア、クスッと笑える人のクセやしぐさ、世界の真理をつくようなものの見方を細いペン先で描き続け、多くの人々をひきつけています。

ヨシタケさんは絵本を出版する以前から、イラストレーター、造形作家として活躍してきました。初の大規模個展となる本展では、作家の発想の源である小さなスケッチや絵本原画、本展のためにヨシタケさんが考案した立体物や愛蔵のコレクションなど約400点以上を展示し、作家の「頭のなか」をのぞいてみます。

世界のアートシーンの最前線を走り続けてきた現代アートの巨匠ゲルハルト・リヒターの大規模個展。近年の重要作品、《ビルケナウ》が日本初公開

ゲルハルト・リヒター《ビルケナウ》(937-1) 2014年 ゲルハルト・リヒター財団
油彩・キャンバス 260×200cm © Gerhard Richter 2022 (07062022)
ゲルハルト・リヒター《ビルケナウ》(937-1) 2014年 ゲルハルト・リヒター財団
油彩・キャンバス 260×200cm © Gerhard Richter 2022 (07062022)
2022年上半期 アートアジェンダがおすすめする注目の展覧会情報・関西版&全国版( 7 )
「ゲルハルト・リヒター展」
開催美術館:豊田市美術館
開催期間:2022年10月15日(土)〜2023年1月29日(日)

ドイツが生んだ現代アートの巨匠ゲルハルト・リヒター(1932-)。本展は、1960年代に本格的に活動を開始して以来、世界のアートシーンの最前線を走り続けてきたリヒター待望の大規模個展として、日本の美術館では16年ぶり、東京・愛知では初めての開催となります。

リヒターは、人がものを見て認識する原理や条件を問い直すために、具象絵画、抽象絵画、写真(やその上に描いた作品)、ガラスや鏡を用いた作品、映像作品など、多岐にわたる表現方法で制作を続けてきました。本展は画家が90歳を迎える2022年に、自ら愛蔵してきた作品群を中心に、60年にわたる画業を紐解きます。

とりわけ注目すべきは、日本初公開の大作、《ビルケナウ》(2014 年)。第二次世界大戦時、ユダヤ人強制収容所でひそかに撮られた写真のイメージを出発点として描かれた、幅2 メートル×高さ2.6 メートルの作品4 点で構成される巨大な抽象画です。リヒターの心をずっと捉え続けながら、直接的にはなかなか取り組むことのできなかった「ホロコースト」という積年の関心事を主題に、2014 年、ついにリヒターはこの大作を完成させました。この近年の重要作品と目されている作品が、これらとしばしば組み合わせて展示される鏡、絵画と同寸法の写真作品とともに、この度日本で初めて公開されます。

ヴェスヴィオ山の噴火によって、すべてが埋没した街ポンペイ。約1700年にわたり眠り続けてきた古代都市への「タイムトラベル」を叶える展覧会

《劇の準備》ナポリ国立考古学博物館蔵 Photo ©Luciano and Marco Pedicini
《劇の準備》ナポリ国立考古学博物館蔵 Photo ©Luciano and Marco Pedicini
2022年上半期 アートアジェンダがおすすめする注目の展覧会情報・関西版&全国版( 8 )
特別展「ポンペイ」
開催美術館:宮城県美術館
開催期間:2022年7月16日(土)〜2022年9月25日(日)

南イタリアに存在した古代都市、ポンペイ。西にナポリ湾を望むこの街は、風光明媚で大地は肥沃、交通の要衝でもあり、紀元前2世紀ごろから大きく栄えました。やがてローマ人の別荘地としても発展しますが、79年、街の北西にあるヴェスヴィオ山の噴火によって、すべてが埋没してしまいます。

短時間で噴火堆積物の下に閉じ込められた家々や神殿、美術品、家財道具は、誰にも手をつけられることなく、約1700年にわたり眠り続けてきました。18世紀にようやく開始され、現代まで続く発掘は、まさに「タイムカプセル」を開封する作業。ポンペイと周辺の遺跡は古代ローマ都市の人々の生活を知る資料の宝庫であり、長年の発掘作業が古代史、美術・文化史の研究にもたらした成果は計り知れません。

本展覧会では、ナポリ国立考古学博物館の全面的な協力のもと、日本初公開を含む約130点を展示、ポンペイの豊かな暮らしを、発掘の成果をもとに紹介します。出品されるモザイク画やフレスコ画、彫像や工芸品はどれも、同館の誇る優品ばかりです。なかでも、ポンペイの旧家であり最も大きい邸宅「ファウヌスの家」から出土した精細なモザイクの数々は必見です。

実業家 福富太郎のコレクターとしての審美眼に焦点を当てながら、蒐集のきっかけとなった日本画家の鏑木清方の美人画ほか80点余りの絵画を紹介

北野恒富《道行》1913年頃 福富太郎コレクション資料室
北野恒富《道行》1913年頃 福富太郎コレクション資料室
2022年上半期 アートアジェンダがおすすめする注目の展覧会情報・関西版&全国版( 9 )
「コレクター福富太郎の眼 昭和の名実業家が愛した珠玉のコレクション」
開催美術館:岩手県立美術館
開催期間:2022年9月17日(土)〜2022年11月6日(日)

昭和の「キャバレー王」として知られた福富太郎(ふくとみたろう 1931-2018)は、戦後の高度経済成長とともに全国にキャバレーを展開し、実業家として成功をおさめました。また、テレビやラジオ番組に出演し、その軽妙でユーモアあふれる語り口が人気を博し、キャバレー太郎の異名をとりました。

その一方で彼は美術品蒐集にも熱中し、著名な作家に限らず未評価の画家であっても、自らの感性に合えば求め、他とは一線を画す「福富コレクション」を築いていきます。さらに彼は、資料や情報をもとに作品への理解を深め、著述や講演を通して、自らの蒐集品を広く紹介しました。

本展では、蒐集のきっかけとなった日本画家の鏑木清方(かぶらききよかた)を代表とする美人画をはじめ、明治の洋画黎明期から戦争画にいたるまで、彼がこよなく愛した絵画80点余りを紹介します。生前の福富と親交のあった美術史家・山下裕二氏の監修により、福富のコレクターとしての審美眼に焦点を当てながら、コレクションの全体像を明らかにしていく初の展覧会です。

親鸞聖人が生涯の師として仰いた高僧、法然上人の生涯を描いた絵巻「法然上人伝法絵」や岡山県に伝わる地獄・極楽をテーマにした絵画の優品を紹介

熊野観心十界曼荼羅(部分) 江戸時代
熊野観心十界曼荼羅(部分) 江戸時代
2022年上半期 アートアジェンダがおすすめする注目の展覧会情報・関西版&全国版( 10 )
「のぞいてみられぇ!“あの世”の美術 ―岡山・宗教美術の名宝Ⅲ―」
開催美術館:龍谷大学 龍谷ミュージアム
開催期間:2022年7月16日(土)〜2022年8月21日(日)

浄土宗の宗祖・法然上人(1133~1212)は美作国久米(現在の岡山県久米郡)の出身で、親鸞聖人の生涯の師として仰がれる高僧です。法然上人の生涯を描いた絵巻「法然上人伝法絵」(鎌倉時代、岡山県立博物館)を中心に、日本浄土教の礎を築いた法然上人の生涯に迫ります。

また、「重文 阿弥陀二十五菩薩来迎図」(鎌倉時代、瀬戸内市・遍明院)や、「重文 地蔵十王図」(室町時代、総社市・宝福寺)など、岡山県に伝わる地獄・極楽をテーマにした絵画の優品を紹介します。

そして最後に、旧邑久郡の下笠加(現在は瀬戸内市)は、江戸時代に「熊野観心十界曼荼羅」などの絵を絵解きし、諸国を旅した宗教者「熊野比丘尼」の拠点のひとつとなりました。ここでは熊野比丘尼の末裔たちが受け継いだ、彼女たちの活動を物語る貴重な資料群を展示します。

国宝「風神雷神図屏風」(俵屋宗達)、重要文化財「四季花鳥図屏風」(狩野元信)など最新デジタル技術と伝統工芸の技を駆使した高精細複製品で堪能

重文「風神雷神図屏風」尾形光琳 高精細複製品 東京国立博物館蔵(原本 同館)
重文「風神雷神図屏風」尾形光琳 高精細複製品 東京国立博物館蔵(原本 同館)
2022年上半期 アートアジェンダがおすすめする注目の展覧会情報・関西版&全国版( 11 )
「企画展 米沢市上杉博物館×綴プロジェクト 日本画をたのしもう
~高精細複製が語る名品の世界~」
開催美術館:米沢市上杉博物館
開催期間:2022年8月6日(土)〜2022年9月11日(日)

日本古来の貴重な文化財には、通常、見ることのできない作品がたくさんあります。大切なオリジナル作品を保存することと、その美しさをできるだけ多くの人に見てもらうことの両方をかなえるため、2007年、文化財未来継承プロジェクト『綴』が始まりました。最新のデジタル技術と伝統工芸の技を駆使した高精細複製品は、より多くの人に日本美術と接する機会を提供し、新たな日本文化の再認識へと繋がっています。

米沢市上杉博物館所蔵の国宝「上杉本洛中洛外図屏風」(狩野永徳)は、綴プロジェクト第1期作品として選定され、2008年の複製寄贈を受けて以来13年間、小中学校への出前授業などで活用し、2500人余りのこどもたちがその魅力や価値を体感しています。本展は、そのほか、国内各地で所蔵の国宝「風神雷神図屏風」(俵屋宗達)、重要文化財「四季花鳥図屏風」(狩野元信)他、高精細複製作品24点を選りすぐり展示する貴重な機会となります。

展示構成は、〈第1章 永徳と狩野派〉〈第2章 日本人のくらしと自然〉〈第3章 海を渡った北斎~門外不出フリーアコレクション〉に分かれ、中・近世の錚々たる絵師たちの競演の中から、日本人の感性を表出させた日本画の魅力を再発見するとともに、最新の複製技術や複製品にしかできない役割についても紹介します。共通テーマとして、「日本画をたのしむ」ことに主眼をおき、伝統的な技法、きまりごと、デザイン性、表現視点など、知るとさらに楽しむことができる日本画の特徴を紹介しながらその繊細さと力強さを再発見することを狙います。

2022年下半期おすすめ展覧会(関西&全国版)では、11の展覧会を取り上げてみました。その他にも当サイトでは、全国のたくさんの展覧会をご紹介しています。展覧会情報一覧 ページより、お住まいの地域やお出かけ先の地域を設定して、ご興味ある展覧会を見つけてみてください。( 2022年下半期おすすめ展覧会 第1弾 関東版はこちら
今年の下半期もぜひ、美術館・博物館で心豊かな時間をお過ごしください。

アートアジェンダ編集部

FEATURE一覧に戻るトピックス 一覧に戻る

FEATURE一覧に戻るトピックス 一覧に戻る